スポーツ障害

スポーツ選手の半月板損傷について悩まれている保護者の方へ情報です

いつも多くの患者様のご来院・ご紹介を頂き本当にありがとうございます。
ライフ・カイロプラクティックラボの森下です。

前回は「スポーツ選手の前十字靭帯損傷について悩まれている保護者の方へ情報です」という記事で、学生選手の治療やリハビリについてお伝えしました。

その中で触れた「半月板」も、スポーツをするお子様の膝を考えるうえで大切な組織です。

「前十字靭帯と一緒に、半月板も傷んでいると言われました」
「半月板損傷は、手術をしないといけないのでしょうか」
「歩けているので、練習に戻っても大丈夫でしょうか」

今回は、こうした疑問を持つ保護者の方へ、半月板損傷について知っておきたいことをお伝えします。

【半月板は、膝にかかる負担を分散するクッションです】

半月板は「はんげつばん」と読みます。

太ももの骨とすねの骨の間にあり、膝の内側と外側に一つずつあります。体重や着地の衝撃を受け止め、膝にかかる負担を分散する役割を担っています。

サッカーの切り返しや、バスケットボールで踏ん張ったときなど、体重がかかった状態で膝をひねることで傷める場合があります。

前十字靭帯と半月板を同時に傷めることもあるため、膝のけがでは、どの組織が傷んでいるのかを確認することが大切です。参考:米国整形外科学会・半月板損傷の解説

【歩けるから、軽いけがとは限りません】

半月板を傷めても、その場では歩けたり、プレーを続けられたりすることがあります。その後、時間がたってから腫れや動かしにくさが出る場合もあります。

主な症状には、膝の痛みや腫れ、曲げ伸ばしの際の引っ掛かりなどがあります。ただし、これらの症状だけで半月板損傷と決めることはできません。

また、レントゲンでは半月板そのものの傷はわかりません。医師が診察し、必要に応じてMRIなどで確認します。参考:米国整形外科学会・症状と検査の説明

【運動リハビリから始める選択肢もあります】

2024年に公表された研究では、半月板損傷が確認された18~40歳の121人を対象に、次の二つの方針を比較しました。

  • 早い段階で手術を受ける
  • 12週間、専門家の指導による運動リハビリと、膝の使い方などの説明を受け、必要なら後から手術を検討する

けがのきっかけによって分けた追加分析では、1年後の痛みや膝の働き、生活の質について、早期手術が明確に優れているという結果は確認されませんでした。

ただし、この研究は18歳未満の子どもを対象にしたものではありません。

人数をさらに分けて調べた分析でもあり、「中学生や高校生も、まず12週間は手術を待ってよい」とは言えません。また、運動によって半月板の裂け目がつながったことを示した研究でもありません。参考:Damstedら・DREAM試験の追加解析、2024年

【学生選手は、傷の場所や形によって対応が変わります】

「半月板損傷」という名前が同じでも、傷の大きさや場所、裂け方は一人ひとり違います。

手術が必要かどうかは、画像だけでなく、膝の引っ掛かりや不安定さ、ほかのけがの有無などを合わせて判断します。

特に、裂けた部分が膝の中に挟まり、動きを妨げている場合は、早めの手術が必要になることがあります。成長期の膝を扱う整形外科で、お子様の状態に合った方針を確認しましょう。参考:小児・思春期の急性膝傷害ガイドライン

【手術にも「縫う方法」と「傷んだ部分を取り除く方法」があります】

半月板の手術は、すべて同じではありません。

裂けた部分を縫い合わせる「縫合術」と、傷んだ部分の一部を取り除く「部分切除術」などがあります。どの方法が適しているかは、傷の状態によって変わります。

縫い合わせた場合は、組織がつながるまで保護する必要があり、部分切除とはリハビリの進め方や回復にかかる時間が異なります。

「早く復帰できそうだから」という理由だけで方法を選ばず、半月板を残せるかどうかも含めて医師に確認してください。参考:米国整形外科学会・半月板の手術とリハビリ

【膝が引っ掛かって伸びないときは、無理に動かさないでください】

膝の中で何かが挟まったようになり、伸ばせなくなる状態を「ロッキング」と呼びます。

急にこのような状態になった場合は、「ストレッチで伸ばそう」「強くひねって戻そう」とせず、早急に整形外科を受診してください。

次の症状も、練習を続けずに受診する目安です。

  • けがの後に膝が大きく腫れた
  • 体重をかけて歩けない
  • 膝の腫れや引っ掛かりを繰り返す
  • 膝がガクッと崩れる

明らかな変形や、足の冷たさ・色の変化・強いしびれがある場合は、救急受診が必要です。参考:小児・思春期の急性膝傷害ガイドライン

【大会や進路の日程は、医師に具体的に伝えましょう】

前回の前十字靭帯の記事と同じように、学生選手では大会や進学の予定も大きな悩みになります。

「来月の大会に出たい」
「進学先が決まるまで、治療を待てないか」

こうした希望は、病院の問診や診察の際に伝えて構いません。ただし、半月板損傷でも、日程だけを理由に治療を先延ばしできるとは限りません。

保護者の方からは、次のように質問してみてください。

「この子の傷は、待ってもよい状態でしょうか」
「待つ場合、体育や部活動はどこまでできますか」
「どのような変化があれば、予定より早く受診すべきでしょうか」

本人や指導者にも医師の説明を共有し、参加できる練習と控える練習を具体的にしておくと、迷いを減らせます。

【保護者の方が、診察で確認しておきたいこと】

説明を受けるときは、次の質問をメモしておくと役立ちます。

  • 半月板のどの部分が、どのように傷んでいますか
  • 前十字靭帯なども一緒に傷んでいますか
  • 運動リハビリから始められる状態ですか
  • 手術が必要な場合、その理由は何ですか
  • 縫い合わせて残すことはできますか
  • 体育や部活動で、今は何を避けるべきですか
  • 復帰まで、どのような段階を踏みますか

お子様は、痛みだけでなく「チームから離れてしまう不安」や「試合に間に合わない焦り」を抱えているかもしれません。

「いつ戻れるの?」と聞くだけでなく、「今、どんなことが心配?」と気持ちを聞く時間も大切にしてください。

前十字靭帯損傷も半月板損傷も、お子様の膝の状態を確認し、最終的な判断は本人・保護者・医療者・監督・チームトレーナーで治療や復帰について相談していくことが大切です。今の競技生活と、これから長く使う膝の両方を考えながら、一つずつ選択肢を確認していきましょう。

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